精霊の守り人
再見。制作はかのプロダクションIGなのでクオリティは当然の様に高い。監督は、攻殻機動隊TVシリーズの神山健治。
ストーリーはかなり原作に忠実。その原作は正当派ファンタジー作品。といっても正当派ファンタジーってなんやねん。という話でもあるかもしれないけど。非常に硬派な作品だ。登場人物達はみな魅力に溢れ、世界観も薄さを感じさせない豊かなもの。その『守り人』シリーズの第一巻の『精霊の守り人』の部分にあたる。
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主人公のバルサやチャグムも魅力的だが、特に回想で登場するバルサの育ての親である、ジグロという人物に非常に惹き付けられる。この積極的に運命を受け容れようとする男が取る行動がいちいち格好いい。
原作では、『闇の守り人』でこのジグロにフォーカスしたエピソードが語られるのだが、TVアニメ版では、あえて終盤の重要な局面でこのジグロの過去が語られ、そのエピソードが転機となってチャグムの心構えが変わっていく。全26話中でも、個人的にもっとも好きなエピソードだ。(第21/22話)
どうして、自分の人生の全てを犠牲にして不幸になってしまう事も覚悟の上で、赤の他人を一生守り抜くという仕事を引き受けたのか?そのジグロの心境に想いを馳せ、その話をしてくれたバルサの気持ちを理解し、覚悟を決めるチャグム。ちょっと綺麗すぎる感もあるが、それはつまらない見方だろうと思う。人は幸福になる為だけに生きるわけではない、その生きた例証とでも言うべき英雄的な人物が描かれているのが、もしかしたら、この作品の最大の魅力かもしれない。
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