今更だけど『思想地図β』とかそのあたりのこと

思想地図β vol.1

思想地図β vol.1

東さん(東浩紀氏の事です。念のため)は、最近朝生とか出てるので、うちのおかんでも知っていてもおかしくない様な有名人になってしまい、そのタフさには関心せざるを得ない。いや、下の年代の俺が関心してる場合ではなくて、オレ頑張れという話ですが。

思想地図(βじゃないよ)の頃から読者をしているので、やっと在野でものを考える事に楽しみを見出す人たちに向けた雑誌が出るようになって嬉しい限り。思想系/人文系の雑誌は学生の時は、こんなもんかぁと思いながら読んでたもんだが、社会に出て仕事をする様になると、まったく生活に結びついていかない思考が延々と続くのにはもうついていけないし、うんざりという所、そんなもの読むなら勝間本とか読みますよ。とか言いたくもなる。少なくとも身銭を切って買いたくない。

そういう意味では、文化系トークラジオLifeは、自分は年齢的にややターゲットから外れつつあるのかもしれないが、回によっては、自分の関心と重なってこの五年間とても良いアンテナになってくれた。バブルの回から聞いてるけど、もう5年かぁ〜。で、そのLifeに東さんが出た回があって、それはもう個人的にLife史上に残る傑作回な訳だが、今聞き返すと、東浩紀氏の野望が着々と現実のものとなっている事を再認識する。この頃から、ルソーの「一般意思」とか言ってたんだね。「Googleがそうじゃん」とかね。まだTwitterは出始めの頃かな?その頃からしても着々とネット上には「一般意志2.0」が形成されている様で、すごいスピードで変化してるなぁと実感。

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外伝3で、かなり東さんが感情的に思想系/人文系界隈のグダグダしている人たちに怒りをぶちまけているが、その怒りが『思想地図β』という形になって、3万部とか売れている訳だからね。いやはや。早くルソーの一般意志とGoogle的なものを論じたものも読みたいな。

ラジオの中でも、東さんが度々言及していたグーグル的なるもの世界はさらに加速してきていて、おれの頭も数年前なら考えられない程電脳化して、外部記憶装置+広大なネットにアクセスするiphoneがないと、もうどうにかなっちまいそうという世界が現実になってるけど、そうなるとはっきり思考の質が変わってきて、如何に効率よく情報を処理していくかという問題がかなり切実になってる。いやマジで。フィードが死ぬ程登録されたGoogle Readerチェックして、TwitterのTLも追いかけて、Read It LaterとEvernoteとはてぶのどこになにを保存するかの基準が不明確になりつつあるこんな時代にこそ、やはり、強靭に思考する為の思想が必要なんだよね。少なくともオレには。もちろん、情報収集諦めるという選択肢もあるけれど、量が質に転化する瞬間があるから、まだ、そこまで割り切れない。

そんな時代にこそ、生活から立ちがってくる思考が扱われている雑誌は貴重だ。という訳で、次号(震災特集だっけ?)も買う。