monkey Business 2009 Spring vol.5 対話号

モンキービジネス 2009 Spring vol.5 対話号 モンキービジネス 2009 Spring vol.5 対話号

柴田 元幸



ヴィレッジブックス 2009-04-20

売り上げランキング : 17560

おすすめ平均



Amazonで詳しく見る
by G-Tools


今更春号でもないけれど、まあ面白かったので、

大きな書店ならきっとバックナンバーがあるでしょう。



対話号でなんと言っても注目なのは、村上春樹への70ページ近いインタビュー、インタビュアーは古川日出男。これは面白い企画ですね。『1Q84』から村上春樹を読み始めた人にも面白い内容だと思います。(『聖家族』がまだ読み終わらない。ごめんなさい。)



村上春樹は、小説家になったきっかけの話を何度もしているけど、その事を『エピファニー』と表現して、それを『僕の人生に起こったことの中では一番素晴らしい出来ごと』とまで断言でしているのは、僕が覚えている限りではない。『一番素晴らしい出来事のうちのひとつ』ではなくて、『一番素晴らしい出来ごと』という言い方がなされているのは。そして、その時の感覚が、60歳になるまでありありと残っているって、これは本当に素晴らしい出来事なんでしょう。やはり、この人にとって書くことは救いなんでしょう。本当に。多分奇跡は人生の中で何度かは起こるんだろうけど、それを大事にして生き続けられるかどうかのが大切なんて言うとちょっとアレだけど、それは穿らずに信じる価値があるとは思います。



インタビュー自体は、長年のファンにとってはそれ程目新しい事を言っている内容ではないけれど、面白かった。



あと、ジョージ・オーウェルの『象を撃つ』が興味深かった。オーウェル読んだことなかったけど、『一九八四年』も新訳が出ているし、読んでみようかな。



今や雑誌なんて、殆ど読まないけど、『モンキービジネス』は唯一追っかける気になる雑誌です。